葬儀で祈られる「主の祈り」の意味

キリスト教葬儀では、必ずと言ってよいほど唱えられる祈りがあります。それが 「主の祈り」 です。世界中のキリスト者が共通して祈るこの言葉は、葬儀の場で大きな慰めと力を与えてくれます。


目次

主の祈り(新共同訳)

天におられる私たちの父よ、
御名があがめられますように。
御国が来ますように。
御心が天で行われるとおり地でも行われますように。
私たちの日ごとの糧を今日もお与えください。
私たちの負い目をお赦しください。
私たちも自分に負い目のある人を赦しました。
私たちを試みに遭わせず、悪からお救いください。
国と力と栄えとは限りなくあなたのものです。アーメン。


「主の祈り」が持つ意味

1. 神への賛美と信頼

「天におられる私たちの父よ」という呼びかけは、悲しみの中でも神が共におられることを思い出させます。

2. 御国への希望

「御国が来ますように」という願いは、死を終わりではなく、神の国への旅路として受け止める信仰を表しています。

3. 日々の糧と赦し

「日ごとの糧」は、遺された者が神に支えられて生きる力を意味します。また「負い目を赦してください」という言葉は、罪の赦しを通して平安を与えます。

4. 悪からの救い

「悪からお救いください」という祈りは、死や不安、絶望から解放される希望を示します。


葬儀で唱えられる理由

  • 共に祈る安心感
    知らない人同士でも、同じ祈りの言葉を唱えることで心が一つになります。
  • 慰めの力
    短い祈りの中に「生」「死」「赦し」「希望」がすべて含まれており、悲しみにある人々に深い慰めを与えます。
  • 信仰の告白
    故人を神に委ねると同時に、遺族自身も信仰を新たにする機会となります。

まとめ

「主の祈り」は、2000年前にイエス・キリストが弟子たちに教えられた祈りです。
葬儀の場では、この祈りが参列者の心をひとつにし、悲しみを超えて神の平安へと導きます。


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